今日は仕事にまつわることを書きたいと思います。
普段はSIerとして仕事をしている管理人です。
ここ最近までいわゆるデスマーチというプロジェクトに参画してましたが、そこでメンバーに起こったこと感じたことについて述べたいと思います。
目次
デスマーチなプロジェクトで起こったこと
つい最近までデスマーチと呼ばれる状態になってました。
どんな状態だったかというと
- 慢性的な残業が発生し、毎日23時に帰宅するような状況。
- 不具合が発生すると犯人探しをするようになる。
このような状況であるとメンバーの人たちも以下のような状況になってしまいました。
- 問題に気づいていても発言しなくなっていった。
- 言われたことだけを行う指示待ち状態になってしまった。
なぜそうなってしまったか?
余裕がない状況に追い込まれたことによって自己防衛が働いてしまったと思います。
今思うと、今回のテーマである心理的安全が確保されていなかったと思います。
心理的安全とは
「心理的安全性」とは、チームのメンバーがチームに対して、気づいたこと・学んだことを気兼ねなく発言できる。本来の自分を安心してさらけ出せると感じられるような場の状態や雰囲気のことです。
米グーグルが2012年から「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる、生産性向上のプロジェクトを立ち上げました。
そこでは、社内でさまざまな業務を担う数百にも及ぶチームを対象として、各チームの仕事ぶりを徹底的に観察して生産性の高い働き方を提案するのがプロジェクトの目的でした。
結果は16年に公表されました。それによると、チームの働き方そのものやメンバー構成などに関して生産性の高いチームに共通する目立った要因が抽出されませんでした。
重要だったのは、他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感といったメンタルな要素で、それらによってチームに醸成されるチ心理的安全性が担保されているチームが生産性が高い、という結論に達しました。
この公表によって心理的安全がクローズアップされるようになりました。
心理的安全の確保とその結果
チームに心理的安全がないことは明らかだったので、心理的安全をもたらすためにはどうしたらよいか?を考え具体的に行動に移しました。
と言っても大したことをやったわけではなく、具体的には以下の2つを行いました。
時間的安全
上から一方的なスケジュールを提示するのではなく、各メンバーに見積もりを実施してもらった。
はじめは見積もられた工数も正直多いのではないか?と思ってました。想定外のことが起こったときは見積もった工数を超えても責を問わないことを対話を重ねて伝えることで、見積工数の差も少なくなってきました。
期待していたのは、自分で工数を見積もることで、言われたタスクをこなすだけであった他人ごとから自分ごとになることでした
結果は期待していたとおりで、タスクが前倒しで終わったときは自ら積極的に仕事を取りにくるように積極性が出るようにメンバーたちが変わっていきました。
共感を示した
積極性が出ることで、各メンバーから改善や意見などの提案も出るようになりました。
それらの発言・提案に対して一つずつ共感を示すことを行いました。
うまくいかなかった発言にも耳を傾けどうしたら改善できるかを対話するようにしていきました。
それによってメンバーは安心し、さらに活発な意見が出るようにチームの雰囲気が変わってきました。
意見を交換することで周りが何をしているかというのも自ずと把握できるようになったのか、自分だけで作業をすすめるのではなく他者に配慮するように変わっていきました。
さらに自分だけでなく周りのメンバーが困っているときも積極的に助け合うようになったことも印象的でした。工数内で可能であればその中で自主的に、それ以上になるようなら提案や意見を言ってくれるようになりました。
心理的安全と責任
難しかったのは、心理的安全を確保することがともすればゆるい職場にならないか?といった不安でした。
けれども、以下の記事にあるように、心理的安全を作ると立場が上の人は今の自分の状況が危ぶまれることへの不安ではないかと思い起こし思い切って行動をすることにしました。
心理的安全を提唱した経営学者Edmondson教授はモチベーションや責任感は心理的安全性とは別ものであるとのべています。
チームの成長・ソフトウェアを作るということ
ソフトウェアを作るという知的活動は、決められたルーチンをこなすだけではないです。ソフトウェアを作る中では、予定外の事が起こっていくことは日常的なものです。
リーダーがすべてを知ることは難しく、チーム・組織として成長していかないと立ち行かなくなっていきます。
成長・学習するためには、メンバー全員の活発な意見交換が必要であり、それには心理的安全が必要ということを感じました。
自分たちがそうだったように、うまくいっていないチームのマネージャーの人は、心理的安全をチームづくりのテーマとして見たらどうでしょうか?